2018年10月八日(ようか) 月曜日
遠くから見ると巨大な毛糸玉(けいとたま)か、マリモ1の群れのよう。ぷっくりと丸いコキアが650本、一斉(いっせい)に色彩(しきさい)を緑から赤へ変えていく。栃木(とちぎ)県小山(おやま)市のコキア畑(はたけ)0を歩いた▼
「遊休農地(ゆうきゅうのうち)6が増えてもったいない、元気の出る草花(くさばな)を育ててみっぺと、形の面白いコキアを試(ため)しました」と発案(はつあん)0した農業福田芳男(ふくだよしお)0さん(66)。育ててみると拍子抜(ひょうしぬ)けするほど手がかからない。肥料(ひりょう)も要らない。見た目と違ってかなり強靱(きょうじん)な植物らしい▼
コキアの名になじみがない高齢(こうれい)の住民(じゅうみん)たちも、別名(べつめい)の「箒木(ほうきぎ)3」「箒草(ほうきぐさ)3」と聞くと顔がほころぶ3。「昔はこれでよく箒(ほうき)を作ったよ」と懐(なつ)かしがる人も。30人ほどで苗(なえ)1を植えた▼
丸々と育った姿がこの夏、新聞で報じられ、SNSでも話題に。問い合わせが重(かさ)なり、慌てて案内板(あんないばん)を立てた。「インスタ映(は)えすると喜ばれています。観光地にするつもりはなかったのに、見学の人が多くて」。久々(ひさびさ)に箒(ほうき)を作ろうか、実を塩漬(しおづ)けにして「とんぶり」も作ってみたい。育てた住民の間で活用話(かつようばなし)に花が咲く▼
顔を寄せてみると、枝はごく細い。なのに全体の形はこんもりと丸い。畑を見て連想(れんそう)したのは、腹をかかえて笑う肥(こ)えたタヌキ1のご一行。眺めているだけで気持ちが丸くなる。〈天(てん)と地(ち)の間(あいだ)に丸(まる)し帚草(ははきぐさ)〉())波多野爽波(はたのそうは)▼
きょうは二十四節気(にじゅうよんせっき)の「寒露(かんろ)」、葉先(はさき)に結んだ露(つゆ)1にも冷(つめ)たさが感じられる時候(じこう)である。今年のコキアの紅葉(もみじ)はこれからが本番。炎暑(えんしょ)1をしのぎ台風にも耐えた分、ふだんの年以上(としいじょう)に濃く鮮(あざ)やかな赤で列島を染めていく。
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