(天声人語)ハシビロコウ5の妊活(にんかつ)
哲学者のような風情で、一点を凝視(ぎょうし)1したまま身じろぎ3しない怪鳥(かいちょう)0ハシビロコウ。原産地アフリカで絶滅が懸念される大型鳥(おおがたどり)を人工繁殖(じんこうはんしょく)させる試(こころ)みが、栃木県(とちぎけん)の那須(なす)どうぶつ王国(おうこく)1で進んでいる。成功すれば世界で3(さん)例目(れいめ)という快挙(かいきょ)1だ
▼漢字を当てれば嘴広鸛(ハシビロコウ)。くちばしの広いコウノトリ1の意である。これまで成功したのは米国とベルギー3の動物園のみ。生態に謎が多く、繁殖技術は定まっていない
▼この秋、那須で注目を浴びるのは雄(おす)のボンゴ1と雌(めす)のカシシ1。カシシには夫(おっと)がいたが、この夏、唐突(とうとつ)に先立(さきだ)たれた。代わりに神戸市内の系列園(けいれつえん)4から連れてこられたのがボンゴだ
▼「前の雄は性格が穏やか。ボンゴは気が荒(あら)く、やたら威嚇(いかく)0する。カシシはなかなか警戒を解(と)きません」と飼育係(しいくがかり)4の松田英和(まつだひでかず)さん(39)。そもそもハシビロコウは雌雄(しゆう)1を問わず単独行動(たんどくこうどう)5を好み、めったに接近しない。このため園(えん)は、まず2羽を網(あみ)で隔てて「お見合い」させ、先月ようやく「同居(どうきょ)0」に踏み切ったところだ
▼微動(びどう)0だにしない鳥という印象があるが、近くで観察すると意外に動く。2羽とも頭をふり、水辺(みずべ)を歩き、バサッと音を立てて翼(つばさ)を開く。ただ常に別行動(べつこうどう)3。ボンゴが近づくとカシシは飛んで逃げる。優しかった前夫(ぜんぷ)1が忘れられないのか。あるいは粗野(そや)1な新郎(しんろう)が気に入らないか
▼飼育係は工夫に工夫を重(かさ)ねる。ニジマス0のえさで精をつけたり、原産地の雨期(うき)1を模(も)してホース1で水を降らせたり。努力が実(さね)を結び、那須高原(なすこうげん)3をヒナがよちよち1歩く日を待ちたい。
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