第10話雨のタクシー

2023-10-17 13:28:4418:26 1.2万

用户评论

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LILILINA酱

太惊喜了,居然发现又可以听了

桜井0121

難しい。半分しか聞き取れなくて。。。

四叶草_8h

「参ったな!」タクシー運転手、荒木さんの呟いで現実に引き戻された「お客さん、渋滞。ダメだな動かねぇよ。雨だし。あー、今日はごとうびだから、こんじゃって、どうにもなんね。」とくラクションの音がする。「どうする、どこかの地下鉄駅に降りる。」 濡れた靴と折れた傘、地下鉄の階段を降りたり上がったりする元気がなかった。 「いいえ、このままで。」 「動かねぇよ本当に。」 「はい。仕方ない。雨だから。」雨だからこのままでいい。

四叶草_8h

以前、唐家村さんというホテルの女性コンシェルジュにあった。 「珍しいお名前ですね。」きっと何度も言われてきだろう言葉を、私も言ってしまう。「下のお名前は?」と聞くと。 「その質問は初めてです。」と言いながら「津久見と言います。」とすごし照れて答えた。 唐家村津久見、その名前を口に出して見たとだん、訪れたことのない村の風景と、学校に通う幼い津久見ちゃんの後ろ姿が、うわっと広かった。山の緑はどこまでも深く、鳥は空高く舞、細い道をよく津久見ちゃんの赤いランドセレが入れている。

四叶草_8h

私の名前は月原神奈子、38歳、旅行会社に勤めている。雨が降っていた、激しい雨。アスファルトにはれかえた雨粒(あまつぶ)が足元濡らしていく。風も強い、ビニール傘の骨が外れてしまう。やっと、タクシーの空車を見つけた。救われと思って乗り込む。 車内はただきつける雨の音も整えて、洞窟の中のような安心感があった。行き先を告げる、運転手はかなりな高齢、名前荒木次郎さん。私には必ずネームプレートを見ってしまう癖がある。レストランでもコンビニでも、名前と顔を見比べてしまう。別に何かのデータを取っているわけでも、自分ないの研究テーマあるわけでもない、ただ、名前を知ると、その人の存在感がぐっと立ち上がる。

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