日语听写（附文稿） | 第3話 豚骨ラーメン

更新说明：每周一、三、五晚上六点更新，用宁静、温馨故事陪你度过喧嚣的下班路

文稿说明：文稿全部为原创听写和翻译，更详细语言学习知识点，

移步公号：My-Liberation-Notes。请勿转载~

（本段为音频片头，每集音频开头都是基本固定的讲述）

慌ただしく過ぎていく時の波に ふと 足元を掬われそうになった時 必ず 紐解く本があります。

その本にはある女性の人生が描かれています、どこにでもあるごく普通の人生。でも 本の中の彼女に出会うと、心に湖に波紋が幾重にも広がるように、ゆっくりと優しい言葉が満ちていきます。今日は どんな彼女に会えるでしょうか。

Sound Library～世界に一つだけの本

朗読は わたくし 木村多江がお送りいたします。

正文

私の名前は月原かな子、38歳、旅行会社に勤めている。

私の人生は　おそらく　極めて平均的で毎日同じことの繰り返し。毎朝同じ電車乗り　会社に行く、だいたい同じ時間に帰宅する。毎週　似たようなスケジュールをこなす。でも、小さい頃から　時々ささやかだけれど、とんでもないことに遭遇する時がある。この間もそうだった。

彼は　二十代前半の　目鼻立ちの整った青年で　７階を押した。室内に漂うラーメンの香り。「今日のランチは　絶対　豚骨ラーメンにしよう。うん、半ライスもつけよう。いや、替え玉しを。」と かたく　心に思った。

 その時。「ガッタン」と　大きな音がして、いきなり　エレベーターが止まった。青年は岡持を下に置いて　すぐに　スピーカーに話しかけた。「すみません、エレベーターが止まったんですけど」　良く通るいい声だ。

数秒して、「あー、いま確認しますんで、お待ちください」と　警備員らしき　おじさんの声がした。青年は私に振り向いて、「きっと　すぐに　動きますよ。前にも　このエレベーター　止まったんですよ。」と　小さく　笑った。

その瞬間、今度は電気が消えた。「キャー」さすがに　声が出た。

エレベーターの中の停電。外は　春の陽光が　降り注いているのに、この箱の中には　本来　真っ暗なんだと　改めて思った。非常用の赤いランプが　フワッと灯る。青年は　白い帽子を抜いて、「参ったなあ」と呟く。　そして、「すみません、電気　消えちゃったんですけど」と　スピーカーに叫んだ。

「しばらく　お待ちください」と　冷やかな警備員。

緊張してるはずだった、なのに、「グッー」私のお腹な鳴った。そう言えば、今日は　寝坊して　朝ごはんも食べていなかった。「ふっ」と青年が笑った。

「あの〜これ　食います？」と　彼が岡持を指差す。「豚骨ラーメン　二つ　入ってるーす」

「だって、出前」と　私が言うと

「どうせ　伸びちゃって　ダメっす」と　頭を掻いた。「自分も食べるっすから」と　彼は微笑んだ。

そういえば　思い出した。私の父も　外では　自分のことを「自分」と言っていた。

ぼんやりした赤いランプの中　二人でラーメンを啜った。細い面に白いスープが絡まり　紅生姜が程よく切っていて　美味しかった。もしかしたら、この状況だから　美味しかったのかもしれない。地下組織に潜入したスパイ同士みたいですね　と私が言うと。「スパイは　こんないいもん食えません」と　彼。

「まるで　スパイをやったことがあるみたい」と　顔を見ると。「いいえ　ないです。」と　顔を押せて答えた。その真面目そうな顔が可愛くて、笑ってしまった。「でも、」と彼は付け加える、「スパイの役なら、やったことがあります。」

止まったエレベーターの中　彼は語った。彼は　ミュージカルスターを目指しながら　ラーメン屋さんで働いていた。

「マイケル・ジャクソンなんすよ、すべての始まりは。ある時　カラオケボックスで MJのスリラー見たっす。　PV。ぶっと見ました。なんじゃーこりゃって感じ。踊り、歌、パフォーマンスのすべてが輝いていました。ああ〜これだ。自分がわくわくするのはこれだ。そう思いました。わくわくすること　正直　なかったっすよ、それまで。ムーンウォークもできるようになりました。いま　やろましょか？」

「ここではいいや」と辞退した。

豚骨ラーメンのにおいが立ち込める箱の中、彼は話し続けた。「ぶっちゃけ　国のお袋とかは　夢を夜見るもんで　昼見るもんじゃねえって言います。でも、ダメなんすよね、わくわくないと　ダメなんっすよね」

赤いランプに照らされた彼の横顔、なんだかいいなぁと思った。

「故郷はどこなの」と　聞くと

「栃木です」と答えた。「聞いて話すなんで　本当かどうか　自信ないっすけど」と　前置きして、「アメリカのアメフト、あっ、アメリカフットボールですけど、その人気　すごいらしいです。で、そのアメフトのハーフタイム、前半と後半と休みの時　全米の人がトイレに行くんで　一瞬にして水が足りなくなるらしいんです。で、これはやばいと思った主催者側。ハーフタイムに　みんなが見たいと思うアーティストが歌が歌ったら、水も足りなくならないじゃないかと思ったらしです。で、マイケル・ジャクソン。ハーフタイムに　いきなりの登場。これ　俺映像で見たんですよ、もうやばい　格好いい！このおよそ15分で　出演料億単位、でも彼はそれを全部寄付するんすよ、格好いい。しかも　視聴率アメフト中継より上だったらしいです。MJの時間。」

まるで　自分の手柄のように話す。でも　嫌な感じはしない。

「しかも　MJは」と　彼はさらに話し初めた時、電気がついた。そして「ガッタン」と大きな音して　エレベーターが動いた。

「あー、動いた」と　彼は言う。

「動いたね」と　私。

5階で先に降りる。なんだか急にエンデイングになったようで、名残惜しい。

「じゃ」と私が言うと、「今度　止まったエレベーターの中で一緒になったら、デザートに栃木産のイチゴを用意しておきます。」よく通るいい声で彼が言った。

閉まるドアの向こうに微笑む彼、ちょっとだけムーンウォークが見えた。素敵なハーフタイムが終わった。

「Sound Library～世界に一つだけの本」

作・構成　北坂昌人

朗読は わたくし 木村多江でお送りいたしました