朗読 佐々木久美子
内容 : 首を切られても、主人の命を救った犬。
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寛平二年の三月。
一人の狩人が愛犬を連れて葛城(かつらぎ)の山中に入り、一頭のシカを見つけました。
(よい獲物だ)
狩人が弓を放とうとした時、愛犬がけたたましくほえたので、せっかくのシカを逃がしてしまったのです。
「こら! どうした! ほえるのをやめろ!」
しかし犬は、ほえるのをやめません。
「やめろ! やめないか!」
そのうちに腹を立てた狩人は、腰の刀で愛犬の首を切り落としてしまいました。
ところが不思議な事に愛犬の首は空中に舞い上がったまま、いつまで待っても落ちてきません。
狩人が上を見上げると、大木からぶらさがった大蛇ののどに愛犬の首が食いついていたのです。
愛犬は主人に襲いかかろうとしている大蛇を見つけて必死にほえたのですが、狩人はそれに気づかずに首をはねてしまったのでした。
でも愛犬は首を切られた後も主人を救おうと、首だけで空中に飛び上がり、大蛇ののどに食いついたのです。
「おれは、何て事を。すまなかった」
狩人は愛犬に泣いて謝り、手厚くほうむってやりました。
その後、この話しを聞いた村の年寄りが、狩人に言いました。
「犬は、不動(ふどう)さんのお使いだ。この山にある七宝滝寺(しっぽうりゅうじ)の本尊の不動さんが、あんたの命を救ったのだろう」
狩人はこの話しを聞くと髪を切って仏門に入り、二度と殺生をしませんでした。
やがてこの話は天皇の耳に入り、七宝滝寺に犬鳴山(いぬなきさん)の号が下賜(かし)されたそうです。
おしまい
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云胡不疑
内容:即使被砍头,也要救主的狗。 宽平二年三月, 一个猎人带着爱犬进入葛城的山中,发现了一头鹿。 (好猎物) 猎人正要放弓的时候,因为爱犬狂吠,放走了鹿。 “喂!怎么了!不要叫!”但是狗不会停止吼叫。 “住手!住手!” 生气的猎人用腰刀砍下了爱犬的脑袋。但是不可思议的是,爱犬的头一直在空中飞舞,半天也不掉下来。
云胡不疑
猎人抬头看了看,发现大蛇从大树中悬垂下来,爱犬咬住了大蛇的喉咙。爱犬发现了想要袭击主人的大蛇,拼命地狂吠,可是猎人却没注意到,就把狗头斩了。但是爱犬在被砍了头之后,为了救主人,只用头飞到空中,咬住了大蛇的喉咙。 “我干了什么!!对不起!” 猎人哭着向爱犬道歉,厚葬了它。听了这个故事村里老人对猎人说道。 “狗是神明的使者,是这座山上的七宝泷寺本尊的不动明君救了你的命吧?”猎人听了这番话,剃度进了佛门,再也没有杀生。不久,这个故事传到了天皇的耳中,七宝泷寺被赐号为犬鸣山。 故事完