サケのおじいさん|第100回-月と星のフェバリット

2023-10-16 02:27:0911:04 589
声音简介

第96回-月と星のフェバリット

【MC】沙耶 【音楽】三瓶進


 ■きょうの日本のむかし話:

 サケのおじいさん



 【あらすじ】

わたしたちは沢山の恩恵を受けながら生きています。

魚やお肉など日々欠かせず頂けることに感謝しなくてはなりませんね。

このお話は、自分の利益のことしか考えられず

相手の気持ちもわからず、勝手な人は

やがて、滅びてしまうというお話です。

些細なことでも、相手を思いやる気持ちは

本当に大切だと教えてくれています。


サケのおじいさん


 むかしむかし、ある北国の川に、太助(たすけ)とよばれる大きなサケが住んでいました。
 毎年、冬が近づくと、太助がたくさんのサケを道案内して、川上の卵を産む場所へサケたちを連れて行くのでした。
「おお、今年もたくさんのサケが来たな」
「間違っても、大助だけはアミにかけるでないぞ」
「そうそう、毎年たくさんのサケが来るのは、太助のおかげだからな」
 漁師たちはそう言って、道案内の大助が通り過ぎてからサケをとりはじめるのです。
 太助は、とても大事にされていました。
 ところがこの川の近くにサケ好きの長者(ちょうじゃ)がいて、以前からサケの太助を食べたいと思っていたのです。

 ある日の事、この長者が、長者の家で働いている大勢の人たちに言いました。
「サケの大助を、食ってみたい。そこでみなの衆、大きなアミを作れ。よいか、川幅いっぱいの大アミを作るのじゃ」
「えっ、あの太助をとるのですか?」
「そうじゃ。さあ、はやくアミを作れ」
「・・・・・・」
 長者の言いつけなので、みんなは仕方なく長い長い大アミを作りました。

 さていよいよ、大アミが出来上がった晩の事です。
 長者が眠っていると、まくらもとに白いひげの仙人(せんにん)のようなおじいさんが現れました。
「これ、長者よ。明日の朝、大助がサケを連れて川をのぼる。サケは、いくらでもとるがよい。ただし大助だけは、アミにかけないでくれ。たのんだぞ」
 そう言い残して、おじいさんは消えました。

 次の朝、長者は夜が明けないうちから、家の者をたたき起こして川に行きました。
 やがて海から波をたてて、数え切れないほどたくさんのサケがのぼってきました。
 サケのむれの一番先頭には、特別大きい大助の姿が見えます。
 それを見た長者は、大声でさけびました。
「それ、今だ! アミをはれ! 大助を逃がすなでないぞ!」
 川幅いっぱいに大アミがはられて、たくさんのサケがアミにひっかかりました。
 サケのうろこが朝日をあびて、キラキラと輝いています。
 今日は、今までにない大漁でした。
 でもその中に、大助の姿はありませんでした。
「太助はどうした?! 太助を探し出すんじゃ!」
 大声を上げる長者の前に、昨日のおじいさんが姿を現しました。
 おじいさんは長者に、悲しそうな顔で頼みました。
「長者よ、大助をとってしまったら、たくさんのサケたちの道案内がなくなってしまう。道案内がなくなれば、サケたちは川をのぼる事が出来ん。どうか太助を、見逃してやってくれ」
 しかし長者は、首を横に振っておじいさんに怒鳴りつけました。
「いやじゃ! わしは太助を食うんじゃ! ほかのサケがどうなろうが、わしは知らん!」
 するとおじいさんの姿がスーッと消えて、気がつくと長者の足下に特別大きなサケが一匹、横たわっていました。
 そのサケこそが、太助です。
「やったぞ! ついに太助を手入れたぞ」
 長者は手をたたいて喜びましたが、その日から長者は不運続きで、やがてひどい貧乏になってしまいました。
 そして次の年から、この川にはサケが一匹も来なくなったそうです。


おしまい






 【沙耶コラム】

先日北海道に行ってきました。北海道は日本の最北端にあります。

わたしはその最も北に行ってきたのですが

広大な土地はまるで、オーストラリアのような

海外の雰囲気を持っています。

雪が多く降る北海道は、食べものも美味しく

世界の国々からも注目を浴びています。

わたしは、本来寒いのは苦手ですが、なぜか北海道は

大好きな場所です。。。本当にお勧めな場所ですよ



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