はだかの王様（皇帝的新装）

2018-04-13 15:43:0605:20 1.9万

声音简介

はだかの王様

昔(むかし)、ある国(くに)にとてもおしゃれな王様(おうさま)がいました。この王様(おうさま)は毎日(まいにち)違(ちが)う服(ふく)を着(き)ては鏡(かがみ)を見(み)て喜(よろこ)んでいました。しかしそのうちに、王様(おうさま)のためだけに服(ふく)を作(つく)るしたてやは、アイディアがなくなってしまい、大変(たいへん)困(こま)ってしまいました。そんなある日(ひ)、隣(となり)の国(くに)から二人(ふたり)嘘(うそ)つきしたてやが来(き)ました。「王様(おうさま)、私(わたし)たちは隣(となり)の国(くに)から来(き)た誰(だれ)にも負(ま)けないとても珍(めずら)しい服(ふく)を作(つく)るしたてやです。私(わたし)たちが王様(おうさま)のためにすばらしい服(ふく)を作(つく)ります。」と言(い)いました。「ほほう。一度(いちど)見(み)てみたいものだ。作(つく)ってみろう。」と王様(おうさま)が言(い)いました。したてやは「それはすばらしい服(ふく)ですが、頭(あたま)のいい人(ひと)には見(み)えてもばかにはぜったいに見(み)えない服(ふく)なんです。」「何(なん)だと！ばかには見(み)えないと言(い)うのか。」「はい、そうなんです。」

王様(おうさま)はそれを聞(き)くととてもほしくなり、すぐにその服(ふく)を作(つく)るように言(い)いました。二人(ふたり)のうそつきしたてやは朝(あさ)から晩(ばん)までカッタンカッタン洋服(ようふく)を作(つく)るふりをしました。王様(おうさま)は作(つく)っているところが見(み)たくなり、大臣(だいじん)にしたてやの仕事場(しごとば)を見(み)に行(い)かせました。しかし、洋服(ようふく)などどこにもありません。大臣(だいじん)はびっくりしましたが、ばかだと思(おも)われたくないので「やあ。仕事(しごと)はうまくいっているか。ほほう。きれいにできそうだな。」と大(おお)きな声(こえ)でほめました。「王様(おうさま)がこれを見(み)られたら、きっと気(き)に入(い)られますよね。大臣(だいじん)様(さま)。」としたてやが言(い)うと、大臣(だいじん)は「そう、そうだな。」と言(い)いました。仕事場(しごとば)を出(で)た後(あと)、大臣(だいじん)はすぐに王様(おうさま)のところに行(い)きました。「王様(おうさま)、私(わたし)はあんなすばらしい服(ふく)は初(はじ)めて見(み)ました。本当(ほんとう)にびっくりしました。」それを聞(き)いた王様(おうさま)はがまんができなくなって家来(けらい)たちと仕事場(しごとば)を見(み)に行きました。したてやは「王様(おうさま)、いかがですか。すてきでしょう。」と言(い)うと、家来(けらい)たちもみんな「わあ。早(はや)くこの服(ふく)を着(き)た王様(おうさま)が見(み)たいものです。」と何(なに)も見(み)えないのに言(い)いました。もちろん王様(おうさま)も何(なに)も見(み)えません。しかしばかだと思(おも)われたくないので、あせをかきながら言(い)いました。「早(はや)く着(き)たいものだ。楽(たの)しみにしているぞ。」と言(い)って帰(かえ)って行(い)きました。
数日(すうじつ)後(ご)、二人(ふたり)のうそつきしたてやは「やっとできあがりました。ご覧(らん)下(くだ)さい。」と言(い)って服(ふく)を王様(おうさま)に届(とど)けに来(き)ました。しかしその服(ふく)は誰(だれ)にも見(み)えません。王様(おうさま)は「本当(ほんとう)にすばらしい。」とほめました。しかし心(こころ)の中(なか)では「みんな見(み)えると言(い)うのに私(わたし)だけ見(み)えないなんて。」とかなしくなりました。王様(おうさま)は鏡(かがみ)のまえではだかになりました。そして服(ふく)を着(き)るふりをしました。うそつきしたてやも服(ふく)を着(き)せるふりをしてうれしそうに言(い)いました。「国中(くにじゅう)の人(ひと)がこれを見(み)たらとてもびっくりするでしょう。きっと今(いま)まで見(み)たこともない服(ふく)だ、すばらしいと言(い)いますよ。」

　王様(おうさま)の珍(めずら)しい服(ふく)のうわさが国中(くにじゅう)に広(ひろ)まりました。そしていよいよ王様(おうさま)が町(まち)にやって来(き)ました。王様(おうさま)は「こんなに軽(かる)くて涼(すず)しい服(ふく)は初(はじ)めてだ。ああ、鳥(とり)になったようだ。」と言(い)いました。ばかだと思(おも)われたくない町(まち)の人(ひと)たちはパッツ一枚(いちまい)になったはだかの王様(おうさま)を見(み)てみんなほめました。すると道(みち)を歩(ある)く王様(おうさま)を見(み)た一人(ひとり)の男(おとこ)の子(こ)が大(おお)きな声(こえ)で言(い)いました。「あ、王様(おうさま)がはだかで歩(ある)いてる。パンツ一枚(いちまい)のはだかの王様(おうさま)だ。おもしろい。」それを見(み)ていた人たちはみんな笑(わら)い出(だ)しました。「そうだ。やっぱり王様(おうさま)ははだかだ。したてやがうそをついたんだ。」と言(い)う声(こえ)も聞(き)こえました。何(なに)も知(し)らない王様(おうさま)はうれしそうにしろに帰(かえ)って行(い)きました。