冬は読書の季節
日本の子供たちは冬休みのさなかだろうが、古い時代の中国には、「冬学」なるものがあったそうだ。農村の子らを農閑期に学ばせるために、冬にだけ開かれる寺子屋のようなものだったらしい。
かの国では、読書にふさわしい季節も冬とされていた。本を読むのに適した「三余」という余暇があって、雨の日と夜、それに冬のことを言った。それなら冬の夜は、またとない好機ということになろうか。江戸時代の日本の漢詩人、管茶山に「冬夜読書」という作がある。
「雪は山堂を擁して、樹影深し」に始まり「一穂の青灯 万古の心」で終わる四行の絶句は、雪の夜に書物をひもとく喜びを伝える。「一穂の青灯」は燭台の明かり。「万古の心」は書物を伝える古人の思い。歌人の土岐善麿はこのくだりを「ともしびに面影立つや昔びと」と風雅に意訳している。
元日の小紙の別刷り特集が、今年は「国民読書年」だと伝えていた。読むことを通じて豊かな言語力を育むのが目的という。読書は受け身に見えて、実は脳をフル回転させる営みであるらしい。
昨今、言葉で感情を表せずに「キレる」子が目立っている。背景には言語力の低下があるとされる。一方で頼もしい傾向もある。図書館を利用する小学生は、07年に一人あたり約36冊の本を借りていた。これは過去最多という。
巣ごもり派も多かった年末年始、「読み納め」や「読み初め」を楽しまれた方もおられよう。人との出会いは素敵だが、
書物との邂逅も捨てがたい。一生ものの一冊に会える読書年であればいい。
宗隐
心を休める美しい声
yong_学者
声音很好听
漾漾_kt
读的很美