「ああ、いいアンマさんだ。天才ですね」
お母さんは、れいによって私をからかう。
「そうでしょう? 心がこもっていますからね。でも、あたしの取柄《とりえ》は、アンマ上下《かみしも》、それだけじゃないんですよ。それだけじゃ、心細いわねえ。もっと、いいとこもあるんです」
素直に思っていることを、そのまま言ってみたら、それは私の耳にも、とっても爽やかに響いて、この二、三年、私が、こんなに、無邪気に、ものをはきはき言えたことは、なかった。自分のぶんを、はっきり知ってあきらめたときに、はじめて、平静な新しい自分が生れて来るのかも知れない、と嬉しく思った。
“啊,真是个不错的按摩师。很有天分呢。”妈妈像往常一样逗我玩儿。
“是的吧?我可是全心全意地在按呢。不过,我擅长的可不只是这个,可不是只会按摩这两下子。只会做这个的话心里可不踏实。我还有更好的本事呢。”
我直接把心里在想的事情坦率地讲出来,这些话在我的耳边也形成了清新的回响,这两三年以来,我都没能像今天这样天真伶俐地讲过话。只有在认清自己的本分并做到释然之后,一个平静的全新的自己才会诞生,或许是这样的吧,我开心地想着。
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