【日本の怪談話集】32 人を水中に引き込むカッパ

2023-10-19 00:08:4105:26 1856
所属专辑:日本語の物語
声音简介

朗読 スタヂオせんむ
内容 : 力自慢の侍が、カッパを捕まえました。
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 むかしむかし、滝のあるふち(→川の深いところ)に、一匹のカッパが住んでいました。
 このカッパは、頭の上の皿をどんな物にでも変えられるという、不思議な力を持っています。
 ふちのそばで美しい花を咲かせたり、大きな魚にして、それを人が捕ろうとしたとたん、腕をつかんで水中深く引っ張り込んでしまうのです。
 このカッパの為に、これまで何人の人が命を落としたかしれません。

 このふちの近くの村に、上野介(こうずのすけ)と言う侍が住んでいました。
 村でも評判の力持ちで、米俵(こめだわら)を片手で軽く持ち上げ、ぬかるみに落ちた荷物いっぱいの車でも、楽々と引っ張り上げる事が出来ました。

 ある日の事です。
 町からの帰り道に上野介がこのふちのそばに来ると、目の前にきれいな女のかんざしが浮いています。
 よく見ると、お城のお姫さまがさす様な立派なかんざしで、村の娘の手に入る様な品物ではありません。
「これは、良い物を見つけたぞ」
 上野介は思わず手を伸ばして、このかんざしを取ろうとしました。
 そのとたん、水の中から青白い腕が伸びてきて、上野介の手首をつかみます。
 上野介はビックリして手首を引っ込め様としましたが、その力の強い事。
 今にも水の中へ、倒れそうになりました。
 しかし、さすがは力持ちで知られた上野介です。
 逆に、もう一方の手で青白い腕をつかむと、上へ引っ張り上げようとしました。
 どっちの力も強くて、引っ張ったり、引っ張られたり、なかなか勝負がつきません。
 それでも上野介が思い切り力を入れてふんばると、一匹のカッパが姿を現しました。
(カッパの仕業であったか)
 上野介は、そのままカッパを上に引き上げると、後ろへ放り投げました。
 バコン!
と、言う音がして、カッパは後ろの岩に叩きつけられます。
 上野介はホッとして、カッパのそばへかけ寄りました。
「あぶないところだった。考えてみれば、かんざしが水に浮くわけはない」
 言いながらカッパを見ると、気を失っているだけで、どこにも怪我をしていません。
(さすがは、ふちの主だけの事はある)
 上野介は近くの木のつるを取ってカッパを縛りあげると、肩にかついで家に連れ帰りました。
 屋敷の者たちは、カッパを見てビックリ。
「なるほど、これがカッパというものか」
「それにしても、恐ろしい顔をしているものだ。こんなカッパを生け捕りにするなんて、やっぱり旦那さまは大したものよ」
 みんなが感心していると、ふいにカッパが目を開けました。
「おっ、気がついたぞ。逃げられたら大変だ」
 屋敷の者たちは縄(なわ)でカッパをグルグル巻きにして、庭の木に縛りつけました。
 こうなっては、さすがのカッパも、どうする事も出来ません。
 カッパはなさけない顔でうなだれたまま、ジッと地面をにらんでいました。
 それを見て、上野介が言いました。
「いいか。どんな事があっても、水をやるでないぞ」

 ところが夜になると、カッパは、
 クエン! クエン!
と、吠える様に泣き出し、うるさくてかないません。
 台所で仕事をしていた女中(じょちゅう)の一人が、水びしゃくを持ったまま庭へ飛び出し、
「うるさいねえ、いいかげんにしろ!」
と、その水びしゃくでカッパの頭をコツンと叩いたら、水びしゃくの中に残っていた水がカッパの頭の皿にかかりました。
 するとカッパはみるみる元気になり、グルグル巻きの縄を引きちぎって、そのまま庭の外へ飛び出しました。
「カッパが逃げた!」
 女中の叫び声を聞きつけて、上野介や屋敷の者がかけつけましたが、すぐに姿は見えなくなりました。
 しかし、これにこりたのか、このカッパは二度と人を水の中へ引き込む事はなかったという事です。

おしまい

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云胡不疑

内容:大力武士抓河童。 很久很久以前,在瀑布的深处,住着一只河童。它具有一种不可思议的力量,能把头上的盘子变成任何东西。变成在路旁美丽的花朵,或者变成一条大鱼,当人们想要抓住它的时候,它就会抓住你的手臂拖进水中,至今为止有不少人因为这只河童丟了生命。

云胡不疑

附近的村子里,住着一位在村里很有名的叫上野介的武士。单手轻轻能拿起米袋,即使是装满行李的车,在泥泞不堪的路上也能轻松拉上去。有一天发生了这么一件事,上野介从镇上回来路过瀑布,眼前浮现着一个女人用的精美发簪,仔细一看,是城堡里公主用的漂亮簪子,不是寻常村里姑娘能得到的东西。 “我找到了好东西。”上野介不由得伸出手,想要取下这枚簪子。就在这时,一只青白色的手臂从水中伸出来,抓住了上野介的手腕,他吓了一跳,想缩回手腕,可是对方的力气却很大,眼看就要被拽到水里去了。但上野介不愧是大力士,用另一只手抓住那苍白的手臂,往反方向使劲拉。

云胡不疑

拉和被拉的两方的力量都很强,很难分出胜负。上野介还是心无旁骛地努力使劲,一只河童出现了。 (是河童干的吗?) 上野介就这样把河童拉上来,往后面扔。 啪喽! 河童被后面的岩石撞到,上野介松了一口气,走到河童身边。 “真是危险,细想来簪子是不可能浮在水里的。” 一边说着一边看河童,它只是昏了过去,并没受伤。(不愧能独霸这河流。) 上野介拿起附近的藤蔓,把河童捆绑起来,扛在肩上带回家,院子里的人看到河童都吓了一跳。 “原来这就是河童吗?” “话又说回来,它的脸上还带着一副狰狞的表情!把这样的河童活捉,老爷果然了不起。” 正当大家都佩服的时候,河童突然睁开了眼睛。

云胡不疑

“看到你醒了,要是你逃了可不得了。”院子里的人用绳子把河童捆成一团,绑在院子里的树上,这样一来,它也无能为力了。河童一副天真烂漫的表情,低着头,盯着地面。上野介说道: “不管发生什么事,都不要给它浇水。”但是到了晚上,河童说:“干死了!干死了!”吠叫着哭起来,吵得不行。在厨房工作的一个女佣人,拿着一桶水冲到院子里:“太吵了,适可而止!” 那个水瓮敲了一下河童的头,水瓮里剩下的水倒在了它头上的盘子里。眼看着河童渐渐恢复了精神,他扯下身下的绳子,直接跑出了院子。“河童逃走了!”听到女佣的叫声,上野介和宅邸的人马上赶了过来,但河童就不见了踪影。但也许是受此影响,这只河童再也没有把人引入水中。 故事完

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