おやゆび姫（拇指姑娘）

每天听点日语童话故事，像孩子一样，在快乐中轻松掌握日语。

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                      おやゆび姫(ひめ)

昔(むかし)、あるところに女(おんな)の人(ひと)が一人(ひとり)で住(す)んでいました。彼女(かのじょ)は一人(ひとり)の生活(せいかつ)がとても淋(さび)しくて毎日(まいにち)神様(かみさま)にお祈(いの)りをしていました。「かわいい女(おんな)の子(こ)を授(さず)けてください。」するとある日(ひ)、神様(かみさま)が雲(くも)の中(なか)から現(あらわ)れて、「この種(たね)をまいてみなさい。」と小(ちい)さな種(たね)をくれました。女(おんな)の人(ひと)は大喜(おおよろこ)びで早速(さっそく)もらった種(たね)をまきました。すると、あっという間(ま)に美(うつく)しい花(はな)が咲(さ)きました。そして、驚(おどろ)いたことにその中(なか)にかわいらしい少女(しょうじょ)がちょこんと座(すわ)っていたのです。女(おんな)の人(ひと)は「まあ、何(なん)てかわいい子(こ)なの。親指(おやゆび)のような小(ちい)さいからおやゆび姫(ひめ)と名前(なまえ)をつけてあげましょう。」と言(い)って抱(だ)きあげました。女(おんな)の人(ひと)はかごを編(あ)んでベッドを作(つく)てあげたり、まめのつるや葉(は)っぱでブランコを作(つく)ってあげたりしました。花(はな)びらをたくさんしいて遊(あそ)ばせたり、お皿(さら)に水(みず)を入(い)れてその中(なか)で泳(およ)げるようにもしてあげました。

    葉(は)っぱを並(なら)べてベッドを作(つく)ったり、花(はな)を食(た)べて何日(なんにち)か過(す)ごしてるうちに冷(つめ)たい風(かぜ)が吹(ふ)き、寒(さむ)い冬(ふゆ)が訪(おとず)れました。おやゆび姫(ひめ)は、葉(は)っぱを体(からだ)に巻(ま)いて森(もり)の中(なか)をさ迷(まよ)っていると、遠(とお)くに明(あ)かりが見(み)えてきました。急(いそ)いで行(い)ってみると、そこには野(の)ねずみの家(いえ)でした。「すみません。助(たす)けてください。私(わたし)はお腹(なか)が空(す)いて死(し)にそうなんです。何(なん)か食(た)べ物(もの)をいただけませんか。」とおやゆび姫(ひめ)が言(い)うと、野(の)ねずみのおばさんが出(で)てきました。そして「この寒(さむ)い中(なか)、森(もり)で迷(まよ)ってしまったのね。早(はや)く中(なか)へ入(はい)りなさい。」と言(い)って、おやゆび姫(ひめ)にごちそうをたっぷり食(た)べさせてあげました。「おばさん、ありがとう。助(たす)かりました。」「もしよかったら、ずっとここにいてもいいのよ。」おやゆび姫(ひめ)はお手伝(てつだ)いをしながら野(の)ねずみの家(いえ)にいることにしました。何日(なんんいち)かして、お金持(かねも)ちのもぐらがやって来(き)ました。「何(なん)てかわいい子(こ)なんだ。」と、もぐらはおやゆび姫(ひめ)を一目(ひとめ)で気(き)に入(い)りました。彼(かれ)は野(の)ねずみのおばさんとおやゆび姫(ひめ)を散歩(さんぽ)に連(つ)れ出(だ)しました。すると一羽(いちわ)のつばめがケガをして倒(たお)れていました。おやゆび姫(ひめ)はほっておけず、家(いえ)に連(つ)れて帰(かえ)って優(やさ)しく看病(かんびょう)してあげました。つばめは元気(げんき)に取(と)り戻(もど)して巣(す)に帰(かえ)って行(い)きました。
    やがて暖(あたた)かな春(はる)がやってきました。おやゆび姫(ひめ)が助(たす)けてあげたつばめは恩返(おんがえ)しのため再(ふたた)びおやゆび姫(ひめ)を訪(おとず)れて来(き)たのです。「おやゆび姫(ひめ)、私(わたし)を助(たす)けてくれてありがとう。私(わたし)と一緒(いっしょ)に空(そら)の旅(たび)に出(で)ませんか。」と言(い)うと「残念(ざんねん)だけれど、私(わたし)はもぐらさんと結婚(けっこん)させられてしまうの。世話(せわ)になった野(の)ねずみのおばさんの勧(すす)めだから断(ことわ)ることもできないのよ。」と、おやゆび姫(ひめ)は答(こた)えました。「あなたのようなかわいい子(こ)が暗(くら)い穴(あな)の中(なか)でどうして暮(くら)さなきゃいけないの。さあ、私(わたし)の背中(せなか)に乗(の)って。」と言(い)うと、南(みなみ)の国(くに)に向(む)かって飛(と)び立(た)ちました。おやゆび姫(ひめ)は野(の)ねずみのおばさんの家(いえ)に向(む)かって手(て)を合(あ)わせました。

   つばめの背中(せなか)に乗(の)って山(やま)を越(こ)え、海(うみ)を越(こ)えて行(い)くと、花園(はなぞの)の国(くに)に着(つ)きました。すると一番(いちばん)大(おお)きな花(はな)の上(うえ)に花(はな)の王子(おうじ)様(さま)が現(あらわ)れました。「ようこそいらっしゃいました。」王子(おうじ)様(さま)は金色(きんいろ)の冠(かんむり)と白(しろ)いベールをおやゆび姫(ひめ)にプレゼントしました。「王子(おうじ)様(さま)、ありがとう。」こうしてお互(たが)いを一目(ひとめ)で気(き)に入(い)った二人(ふたり)は、しばらくして結婚(けっこん)することになりました。結婚式(けっこんしき)の日(ひ)、花園(はなぞの)の天使(てんし)達(たち)がたくさん出(で)て来(き)てお祝(いわ)いしました。天使(てんし)達(たち)は愛(あい)する二人(ふたり)の上(うえ)を舞(ま)いながら色(いろ)とりどりの花(はな)びらを撒(ま)きながら歌(うた)を歌(うた)い、大喜(おおよろこ)びです。こうしておやゆび姫(ひめ)は王女(おうじょ)様(さま)となって、王子(おうじ)様(さま)といつまでも幸(しあわ)せに暮(くら)しました。